トレード候補から“救世主”へ…453億円男の補填に吉田正尚が急浮上 今季出場ゼロもレ軍で高まる存在価値「すぐに穴を埋める」

レッドソックスの本拠地で淡々と調整を続けてきた吉田。(C)Getty Images
復活を目指す日本人スラッガーの打棒に期待が高まっている。レッドソックスの吉田正尚だ。
吉田の名が米メディアでも広まるキッカケとなったのは、青天の霹靂と言える電撃トレードにあった。現地時間6月15日にレッドソックスは、24年からの10年総額3億1350万ドル(約453億円)のメガディールを交わしていたラファエル・デバースを、ジャイアンツにトレードで放出。複数のトッププロスペクトを含む見返りこそあったが、“生涯契約”と言える契りを交わしていた主砲の退団は波紋を呼んだ。
起用法を巡って球団との間に亀裂が生じていたとされるデバース。しかしながら、今季もレッドソックスで73試合に出場し、打率.272、15本塁打、OPS.905を打っていた主砲の放出によるダメージは計り知れない。この課題をいかに克服するかの議論が交わされた中で、デバースが務めていたDHの“穴埋め役”として白羽の矢が立ったのが、吉田だったのである。
もっとも、依然として越えるべき課題も残されている。昨年10月に右肩を手術していた吉田は、今季は開幕から負傷者リスト入り。打撃練習こそ春季キャンプから100%の状態でこなせていたが、肩への懸念から出場機会は与えられておらず。何よりも優先的に試合勘を取り戻す必要がある。
DHはいわゆる「打撃専任」。守備機会はないとはいえ、打者として打席に立つ感覚を掴むのはいくらかの時間は必要とする。デバース退団は吉田にとってこれ以上にないチャンスだが、焦りは禁物とも言える。
そうした中で「ようやくレッドソックスは暗いトンネルの出口に光が見えてきた」と伝えたのは、地元ニュースサイト『MASS Live』だ。