なぜ日本で異彩を放った佐々木朗希の“真っすぐ”は打たれるのか? ド軍投手コーチが明かした顕著な「球速低下の理由」

マウンドでの苦心が続く佐々木。(C)Getty Images
またも味方打線に救われた。
現地時間5月9日に敵地で行われたダイヤモンドバックス戦にドジャースの佐々木朗希が先発登板。4回0/3(61球)を投げ、0奪三振、与四死球3、5失点と低調なパフォーマンスに終始。初白星を掴んだ前回登板からの連勝とはならなかった。
【動画】佐々木朗希の真っすぐを逆方向へ…ダイヤモンドバックス戦での被弾シーン
この日も立ち上がりから芳しくなかった。初回にケテル・マルテのソロと、エウヘニオ・スアレスの2ランを被弾して3点を失った佐々木は、2回、3回と無失点と立ち上がったかのように見えた。しかし、4回に一死3塁の場面でルルデス・グリエルの内野ゴロの間に1点を失うと、続く5回に先頭打者を四球で歩かせたところで降板。3回までに8点を挙げていた味方の援護もあって黒星はつかなかったものの、不安定さは否めなかった。
気になるのはロッテ時代とは異なる球速の低下だ。この日も4シームの最速は97.5マイル(約156.9キロ)と、自身が目標としている100マイル(約160.9キロ)には至らず。マルテには94.8マイル(約152.5キロ)、スアレスには94.2マイル(約151.6キロ)の4シームをそれぞれスタンドへと運ばれ、文字通りのパワーで相手打線を牛耳れなかった。
今季全体でも佐々木の4シームの平均球速は96.1マイル(約154.6キロ)である。米球界でも「魔球」とされるフォークを活かす意味でも、生命線でもある速球の状況は小さくない懸念材料と言えよう。